職場に美人が入ってきたら、心が乱れる理由とは？
職場に新しく入ってきた女性、目元が整い、背筋がピンと伸び、全体から漂う気品。
当時はコロナ禍でマスクをしていたため、顔の下半分はまだ見えていませんでしたが、目元からすでにその美しさが際立っていました。
マスクで顔の半分が隠れていた当時(コロナという流行り病の蔓延)では、世の中に「美人」が溢れていると言われていましたが(マスク美人)、彼女の場合、マスクの下半分を想像しても「はずれようのない」美貌が確信できました。
美しさに引き込まれながらも、それが仕事に影響を与えていることに気づきました。「あのマスクの下はどうなっているんだ？」という疑念に囚われ、心が乱されているのです。しかし、じっと見つめてしまうと周囲に誤解されそうで、不自然なほど視線を逸らしてしまう。この見たいけど見れないジレンマに悩まされます。
美しさが生み出す影響
彼女のスタイルもまた素晴らしく、全身のバランスが整い、無駄な肉が一切ない洗練された立ち居振る舞い。背筋がピンと伸びた姿を見ると、何年もジム等に通い、日々の鍛錬を欠かさない女性のように思えます。さらに、細くてしなやかな指や長い爪、どの部分を見ても非の打ちどころがありません。
その完璧さに嫉妬さえ覚えるほどです。「なぜ神はこんなに差をつけたのか？」と、同性としてさえ思わずにはいられないほどの美貌は、職場の女性たちの間でもすでに話題になっていたようです。残念ながら、彼女は何もしていないのに、すでに陰口の対象となってしまっていたのです。
美しさと職場のバランス
「過ぎたるは及ばざるが如し」という言葉がありますが、美しさが際立ちすぎると、周囲とのバランスが崩れ、職場の人間関係にも揺らぎを生むことがあるのかもしれません。
美しい人が美しい人たちばかりの環境にいると、あまり違和感はないかもしれませんが、普通の職場に「輝き」が加わると、その平衡が崩れてしまうのです。
私は既婚で、その女性と何か特別なことが起こるわけでもないのに、なぜこれほど心が乱されるのか。おそらく、理性では理解していても、その美しさが私の心に波を立てているのでしょう。
美しさと煩悩
結局、美しい人と出会ったときの感情は、私たちの中にある「煩悩」に触れるのだと思います。理性的に考えれば、何も起こらないとわかっているのに、心は美貌に引き寄せられ、無意味にエネルギーを消耗してしまう。だからこそ、「煩悩を断ち切れ」と自分に言い聞かせているのです。
美しさは、私たちの心に強い影響を与えますが、冷静に考えると、それに囚われることなく自分のペースを保つことが大切なのかもしれません。
煩悩を断ち切るために
煩悩は私たちの日常生活にさまざまな形で現れますが、美しさに対する心の乱れも、その一つです。理性では無意味だと理解していても、心が勝手に揺れ動き、仕事や人間関係に影響を与えてしまうことがあります。では、どうすればこの煩悩を断ち切り、冷静に自分を保つことができるのでしょうか？
1. 美しさを「事実」として受け入れる
まず最初に大切なのは、美しさをありのままに「事実」として受け入れることです。「美しい」と感じること自体は自然な感情であり、悪いことではありません。美しいものを見て心が動くのは、誰にでもある正常な反応です。しかし、その感情に囚われすぎると、自分の行動や思考が制限されてしまいます。美しさを単なる事実として受け止め、それ以上の意味を持たせないことが大切です。
2. 自分にフォーカスを戻す
美しい人やものに対する意識が高まると、無意識のうちに自分の価値観や行動を相手に合わせてしまうことがあります。そこで、自分の目標や役割にフォーカスを戻すことが効果的です。職場であれば、仕事に集中し、自分のスキルを向上させることにエネルギーを注ぐことが大切です。相手の美しさに気を取られる代わりに、自分が成長するための行動を選びましょう。
3. 美しさに囚われる時間を意識的に減らす
無意識に美しい人に目を向ける時間を少なくすることも、煩悩を断ち切る一つの方法です。たとえば、無理に意識的に視線を逸らすのではなく、仕事や会話に自然に集中するようにしましょう。美しいものや人に対して目を向けるのは避けられないことかもしれませんが、それが仕事や生活に支障をきたすことがないよう、意識的に自分の関心を他に移す練習をするのです。
4. 瞑想やリラクゼーションを取り入れる
瞑想や深呼吸などのリラクゼーション技術は、心を落ち着かせ、煩悩や無駄な考えを手放すのに役立ちます。瞑想では、浮かんでくる感情や思考をただ観察し、それに囚われることなく手放すことを学びます。日々の生活に5分でも取り入れることで、心の乱れを静めるスキルを磨くことができるでしょう。
5. 美しさの「一時性」を理解する
最終的に、美しさもまた一時的なものであり、永遠ではないという事実を理解することが重要です。いくら美しくても、時間と共に変化し、私たちの感情もまた移ろっていきます。美しさは一瞬の感動を与えてくれるかもしれませんが、それに執着しすぎると、私たち自身の成長や人生の豊かさを見失うことになります。
心の平穏を取り戻すために
煩悩にとらわれないようにするには、自分自身と向き合い、意識的に選択をしていくことが求められます。美しさや感情に動揺することは誰にでもありますが、それをどのように扱うかが重要です。美しい人やものを楽しみながらも、それに執着せず、冷静に自分の価値や目的に集中することで、心の平穏を保つことができるでしょう。
そして、最も大切なことは、外見や他者の影響に左右されず、自分自身の内面の美しさや価値を見つけ、育てていくことです。それこそが、最終的に私たちを真の平和へと導くものなのです。
※※
美しさに心は揺れる
光のようにまぶしくて、目を奪われる
けれどもその輝きは、外側のもの
手に触れることなく、消えてゆく蜃気楼
自分の内に戻ろう、静かな川の流れのように
美しさはただの事実、風が吹き抜けるように
自分を見失わぬよう、深呼吸して
その瞬間を生き、穏やかに
立ち止まり、煩悩を見つめて
手放すことで見えてくる、心の平和
瞑想の中で、私はただ在る
波打つ心も、静かに整う
美しさにとらわれず、己を知れ
一時の光に惑わされずに
永遠を求めず、今を感じて
内なる光が、あなたを照らす
